中古マンション購入の流れ。購入申込みから引渡しまでの手順と期間

購入ガイド 

中古マンションは、購入申込み、宅建業法35条の説明、売買契約と手付金、住宅ローン本審査、決済・引渡しの順に進みます。契約から決済までは数週間から数か月が目安で、各段階の期間と注意点を整理します。

中古マンションの購入は、購入申込み、宅建業法35条に基づく説明、売買契約と手付金の支払い、住宅ローンの本審査、残代金の決済と引渡しの順に進みます。契約から決済までは、一般的な売買で数週間から数か月かかります(不動産適正取引推進機構「不動産売買の手引」)。購入申込みから引渡しまでを通すと、1〜3か月ほどを見込むのが目安です。この記事の期間は当サイトの目安で、手引が数字で示しているのは契約から決済までの「数週間から数か月」だけです。

全体の流れと期間の目安

国土交通省の消費者向けの案内は、不動産取引の流れの図を載せ、宅建業法で不動産会社に書面の交付が義務づけられている場面を赤字で示しています。実際の流れは売主や仲介会社によって違うとも書かれており、次の表も一例です。

段階 期間の目安 受け取る書面・支払うお金
購入申込み、売主の承諾 数日 買付証明書(購入申込書)。申込金は預り金
35条の説明、売買契約 申込みの後、1週間前後 説明書、売買契約書、手付金
住宅ローンの本審査 契約後、1〜3週間 金融機関の承認
決済と引渡し 契約から数週間〜数か月 残代金、登記費用、固定資産税等の精算金

契約から決済までの期間は、契約書に書く引渡し予定日とローンの実行日で決まります。買主は、引越しや勤務先の都合と合わせて、契約の前に決めておきます。

購入申込みは契約の約束ではない

気に入った部屋が見つかると、仲介会社に購入申込書(買付証明書)を出し、希望価格や引渡し時期を伝えます。手引によると、買付証明書や売渡承諾書は確定的な意思表示ではないため、契約は成立していないと解されています。ただし、取り消したらキャンセル料を請求された例があると書かれているので、書面に書く条件には注意が必要です。

申込みに合わせて申込金を預ける場合があります。申込みをやめたとき、預かった不動産会社が申込金の返還を拒むことは禁止されており、手引は、払うときに返してもらえることを確かめておくよう勧めています。

価格交渉は、この段階で行います。売出し価格は売主の希望価格で、成約価格ではありません。値下げされた履歴や同じ棟の他の部屋との比べ方は、割安判定の記事を参照してください。

宅建業法35条の書面と説明は契約の前に受ける

宅地建物取引業法35条は、契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士が書面(重要事項説明書)を交付して説明することを義務づけています(e-Gov法令検索)。説明の際、宅建士は宅建士証を相手に見せなければなりません。国土交通省の案内によると、テレビ会議などを使ったオンラインの説明も受けられます。

マンションの場合は、敷地に関する権利、共用部分の規約、専有部分の用途や利用の制限、管理費と修繕積立金、管理の委託先なども説明の対象です(宅建業法施行規則16条の2)。既存の建物では、建物状況調査をしたかどうかとその結果、設計図書などの保存状況も説明されます。

説明を受ける日の前に、書面の写しを受け取って読んでおくと、質問を用意できます。管理規約や管理組合の資料の読み方は、管理費と修繕積立金の記事にまとめています。

売買契約と手付金

契約当日は、買主が売買契約書に署名して手付金を払います。契約を結ぶと、売主も買主も契約書の内容に従う義務を負います。そのため買主は、引渡し日までに行うこと、解除の方法、違約金の額などを、契約の前にもう一度確かめておく必要があります。

手付金の額に決まりはありません。手引は、売買代金の5〜10%程度とされることが多いと書いています。1億円の物件なら、この範囲で500万〜1,000万円です。売主が宅建業者の場合は、代金の20%を超える手付を受け取れません(宅建業法39条)。個人の売主には、この上限や、手付金を守る保全措置の義務はありません。

手付金を払うと、買主は手付を放棄して、売主は倍額を返して、契約を解除できます。ただし、相手が契約の履行に着手したあとは解除できません。手引の契約書の参考例は、手付解除ができる期限を、契約日から少なくとも1か月以上にするのが望ましいと説明しています。

買主は、住宅ローンの承認が得られなかったときに契約が消える、または解除できるという特約(ローン利用特約)を、契約書に入れておきます。手引は、融資承認予定日のうち最終日までに承認が得られないと契約が自動的に消滅する書き方を例に挙げています。不動産会社が紹介するローンでない場合、会社には特約の説明義務がないので、買主から特約を入れるよう申し入れる必要があると、手引は注意しています。

住宅ローンの本審査と融資承認予定日

売買契約のあと、買主は金融機関に本審査を申し込みます。承認は、契約書に書かれた融資承認予定日までに得る必要があります。審査の日数は金融機関や書類の整い方で変わり、公的な資料は日数を示していません。前の表の1〜3週間は、当サイトの目安です。

承認が出ると、金融機関との間で金銭消費貸借契約を結び、決済日に融資が実行されます。借入額と金利による返済額は住宅ローン金利の記事、控除の条件は住宅ローン控除の記事で扱っています。

決済と引渡し

決済日には、司法書士が登記に必要な書類と情報を確かめ、そのあとで買主が残代金を支払います。書類が足りないときは、決済が延期されます。買主は決済の前に、残代金、固定資産税などの精算金、登記費用の金額を仲介会社に聞いて用意します。諸費用の内訳は諸費用の計算例に書きました。

引渡しは、売主が売買代金を受け取るのと引き換えに、物件を買主に引き渡し、所有権移転の登記を申請することです。売買契約書には、抵当権などの負担を売主が抹消するという定めが入るのが一般的で、売主のローンが残っている部屋でも、決済の場で抹消の手続きが行われます。

タワーマンションで引渡しの前後にすること

標準管理規約(国土交通省の単棟型、令和7年改正)は、新たに区分所有者になった人が、直ちに書面で管理組合に届け出ることを定めています。個別のマンションの規約は異なりますが、管理会社に届出の用紙と、提出の期限を聞いておくと間に合います。

リフォームを予定しているなら、標準管理規約は、共用部分や他の専有部分に影響するおそれのある工事を、あらかじめ理事長に申請して書面で承認を受けるよう求めています。申請に設計図や工程表が要るので、引渡しの前から管理会社に聞いておくと、工事の開始が遅れません。

引越しのエレベーターの使い方や搬入の時間は、各マンションの使用細則や管理会社の案内で決まっていることがあります。買主は、引越し業者を決める前に管理会社へ問い合わせておきます。候補の棟は棟一覧から探せます。

※手続きと制度は2026年10月4日時点で、宅建業法・施行規則、国土交通省、不動産適正取引推進機構の資料を確認した内容です。期間の目安は当サイトの推定で、個別の取引で変わります。売主・買主・仲介会社・金融機関と契約書の内容に従い、必要に応じて専門家に相談のうえ、ご自身の判断で進めてください。