オーナーチェンジ物件は住宅ローンが使えず、すぐには住めない

購入ガイド 

オーナーチェンジは賃借人が住んだまま売られる投資用の物件で、住宅ローンは使えず、買っても入居できません。湾岸タワマンの売出しでは78件(5.2%)で、坪単価は同じ棟の通常の売出しより約2%低い程度でした。

オーナーチェンジ物件は、賃借人が住んだまま、貸主(オーナー)だけが替わる形で売られる部屋です。買った人は貸主の立場を引き継ぐので、自分で住むことはできません。住宅ローンも本人が住む家のための融資なので使えず、買うなら投資用のローンか現金になります。自宅を探している人にとっては、基本的に候補の外にある物件です。

2026年10月4日時点で、当サイトが集計した湾岸タワーマンションの売出し1,506件のうち、オーナーチェンジは78件(5.2%)でした。数字は売出し価格で、成約価格ではありません。

住宅ローンの対象は、本人や親族が住む家

住宅ローンは、借りる本人が住む家を買うための融資です。たとえばフラット35は、利用条件で対象を「お申込ご本人またはそのご親族の方がお住まいになる」住宅とし、第三者に貸す目的の投資用物件には使えないと明記しています。借りたあとで賃貸に回していると分かった場合は、全額の一括返済を求めるとも書いています。フラット35・ご利用条件

賃借人が住んでいる部屋は、買った時点で「第三者に貸している物件」です。このため、オーナーチェンジを買う人の多くは、不動産投資向けのローンを使うか、現金で払います。投資向けのローンは、住宅ローンとは審査の見方や金利、頭金の条件が別の商品です。具体的な条件は金融機関ごとに違います。毎月の返済額の考え方は住宅ローン金利と返済額の記事にありますが、そこで使っている住宅ローンの金利は、オーナーチェンジには当てはまりません。

買っても、賃借人との契約は続く

民法第605条の2は、貸している建物が売られたとき、貸主の立場(賃貸人たる地位)が買主に移ると定めています。建物の賃貸借は、借地借家法第31条により、賃借人が住んでいれば登記がなくても新しい所有者に主張できます。買主は、賃料を受け取る立場と一緒に、敷金を返す義務も引き継ぎます(民法第605条の2第4項)。民法(e-Gov法令検索)、借地借家法(e-Gov法令検索)

普通借家契約では、貸主の側から契約を終わらせるには「正当の事由」が要ります(借地借家法第28条)。条文は、貸主と賃借人それぞれが建物を使う必要性や、これまでの経過、立退料の申出などを合わせて考えるとしており、新しい所有者が住みたいという事情だけで認められるとは限りません。定期借家契約なら、期間が終われば契約は更新されずに終わりますが、それまでは住めません。定期借家の仕組みは定期借家の記事で説明しています。

価格は同じ棟の通常の売出しより約2%低い程度

住めない、住宅ローンが使えないという条件がある分、価格が大きく下がっているかというと、当サイトの集計ではそうなっていません。

全体の坪単価の中央値は、オーナーチェンジが約680万円、それ以外が約700万円です。ただ、オーナーチェンジは面積の中央値が約66㎡で、それ以外の約72㎡より狭く、棟の構成も違います。そこで、オーナーチェンジと通常の売出しがそれぞれ2件以上ある19棟で、棟ごとに坪単価の中央値を比べました。オーナーチェンジのほうが安い棟は11棟、高い棟は8棟で、比の中央値は0.98、つまり約2%安い程度でした。

賃料収入を目的に買う人は、いまの賃料や契約期間も合わせて価格を見ます。当サイトの割安判定は、賃料や賃貸借契約の内容を反映していません。判定方法

1LDKとドゥ・トゥールに多い

町域別では、晴海が511件中29件(5.7%)、勝どきが255件中15件(5.9%)、有明が219件中13件(5.9%)、豊洲が247件中12件(4.9%)でした。東雲は104件中4件、月島は90件中2件、佃は36件中3件、豊海は0件です。

間取り別では、1LDKが148件中17件(11.5%)で、2LDKの5.3%、3LDKの3.7%より高い割合です。棟別では37棟に1件以上あり、ドゥ・トゥール EASTが48件中8件、ドゥ・トゥール WESTが47件中7件、勝どきザ・タワーが74件中7件と多く出ています。

当サイトの売出し一覧では、最初から除外して表示

売出し一覧は、オーナーチェンジを初めから表示しない設定にしています。絞り込みの「オーナーチェンジ」で「含む」を選ぶと表示され、カードには「賃貸中(すぐ住めません)」と出ます。自宅を探すなら、除外したままの一覧で見れば足ります。

掲載によっては、賃貸中と書かれていても「空室にして引き渡す」条件のものがあります。その場合は、売主が賃借人との契約を終わらせてから売る形になるので、住宅ローンの対象になるかどうかも含めて、仲介会社と金融機関に引渡しの条件を伝えて確かめる必要があります。

※2026年10月4日時点の当サイト集計(売出し1,506件。売出し価格であり成約価格ではありません)。フラット35の利用条件と法令は2026年10月に確認した内容で、変わることがあります。ローンの可否や条件は金融機関に、賃貸借契約の扱いは専門家に確認し、ご自身の責任で判断してください。