中古マンション購入の諸費用を、1億円の物件で計算する

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1億円の中古マンションを8,000万円のローンで買う計算例では、諸費用の合計が約560万〜660万円(物件価格の5.6〜6.6%)でした。仲介手数料の上限336万6,000円に加え、ローンの事務手数料が定率型なら176万円かかります。

1億円の中古マンションを、借入8,000万円で買うと仮定した計算例では、諸費用の合計は約560万〜660万円、物件価格の5.6〜6.6%になりました。仲介手数料の上限は336万6,000円で、ローンの事務手数料は借入額の2.2%の定率型なら176万円、定額型と保証料の組み合わせでも約125万〜156万円です。

2026年10月4日時点・当サイト集計の売出し価格(1,506件)の中央値は約1億5,000万円です。売出し価格であり成約価格ではありません。以下ではまず1億円で計算し、1億5,000万円の場合も示します。

仲介手数料の上限は国土交通省の告示で決まっている

仲介手数料は、売買代金(消費税を除いた額)を三つの区分に分け、それぞれに料率を掛けて足した額が上限です。国土交通省の告示(最終改正 令和6年)では、200万円以下の部分が5%、200万円を超え400万円以下の部分が4%、400万円を超える部分が3%とされています。400万円を超える物件では「代金に3%を掛けて6万円を足した額」と同じです。

消費税率は10%です(国税庁タックスアンサー)。1億円なら、306万円に消費税を加えた336万6,000円が上限です。1億5,000万円では501万6,000円になります。

これは上限で、定額ではありません。国土交通省の消費者向けの案内は、媒介契約を結ぶ際に、上限の範囲内で額をあらかじめ合意しておくことを挙げています。

印紙税は軽減措置で3万円、期限は2027年3月

不動産の売買契約書には印紙税がかかります。国税庁によると、契約金額が10万円を超える不動産譲渡契約書のうち、平成26年4月1日から令和9年3月31日までに作るものには軽減措置があります。軽減後の税額は、契約金額が5,000万円超1億円以下で3万円、1億円超5億円以下で6万円です。1億円の物件は3万円、1億5,000万円の物件は6万円になります。

登録免許税は所有権移転と抵当権設定の2回

登記にかかる国税で、購入者は2回払います。1回目は買った住戸の所有権移転登記、2回目は住宅ローンを借りるときの抵当権設定登記です。課税標準は、所有権移転なら固定資産課税台帳に載っている評価額、抵当権設定なら借入額(債権金額)です(財務省)。

税率は国税庁の税額表で次のとおりです。

  • 建物の売買による所有権移転は本則2%。個人が住宅用家屋を買って自分で住む場合は0.3%(令和9年3月31日まで)
  • 土地(マンションでは敷地権)の売買による所有権移転は本則2%。令和11年3月31日までの登記は1.5%
  • 住宅取得資金の貸付けに係る抵当権設定は0.1%(令和9年3月31日まで)。財務省の資料では本則は0.4%

軽減には、床面積50平方メートル以上、取得後1年以内の登記などの要件があります。申請には市区町村が出す証明書を添える必要があり、登記したあとで証明書を出しても軽減は受けられません。

不動産取得税は評価額に3%、中古には控除がある

不動産を取得した人に都道府県が課す税で、東京都では主税局が担当します。東京都主税局の案内では、課税標準は固定資産評価額で、実際の購入価格ではありません。税率は土地も住宅も3%(令和9年3月31日までの取得)で、宅地は評価額の2分の1が課税標準になります。

中古住宅には、住宅の価格から一定額を引く控除があります。個人が自分で住むことが前提で、床面積は2026年4月1日以降の取得なら40平方メートル以上240平方メートル以下です(3月31日以前の取得は50平方メートル以上)。築年は、昭和57年1月1日以降の新築か、耐震基準に適合すると証明されたものが対象で、控除額は新築された日で決まります。平成9年4月1日以降の新築は1,200万円です。

東京都の敷地権付き中古マンションの設例では、土地分の税額が0円です。

1億円の物件で計算した諸費用

次の仮定を置きました。建物の固定資産税評価額が2,000万円、敷地権の土地の評価額が3,000万円、借入額が8,000万円、築18年(平成20年の新築)、床面積50平方メートル以上、自分で住む場合です。評価額は説明のための数字で、実在の住戸ではありません。ローン手数料は、事務手数料が定率型の場合(A)と、定額の事務手数料に保証料を足す場合(B)の2通りを並べます。

項目 計算 金額
仲介手数料(上限) 1億円の3%に6万円を足し、消費税10%を加える 336万6,000円
印紙税 売買契約書、軽減後 3万円
登録免許税 建物6万円、土地45万円、抵当権8万円 59万円
不動産取得税 家屋は(2,000万円−1,200万円)×3%で24万円。土地は0〜45万円 24万〜69万円
司法書士報酬 日本司法書士会連合会アンケートの平均、移転5万6,678円と抵当権4万2,699円 9万9,377円
地震保険 保険金額1,000万円、東京都・イ構造、割引前の1年分 2万7,500円
ローン手数料A 8,000万円×2.2%(保証料なし) 176万円
ローン手数料B 事務手数料3万3,000円と、一括前払いの保証料122万〜153万円 約125万〜156万円
合計A 上の6項目にAを加える 約611万〜656万円(6.1〜6.6%)
合計B 上の6項目にBを加える 約561万〜637万円(5.6〜6.4%)

火災保険料は会社と補償内容で変わり、公的な目安を確認できなかったため入れていません。合計の幅は、不動産取得税の土地分と保証料の幅から出ています。

価格が1億5,000万円になると、仲介手数料と印紙税だけで約507万円に増えます。評価額と借入額が同じなら、登記と取得税、ローン手数料は変わりません。

住宅ローンの事務手数料:定率型の2.2%と、定額型に保証料を足す型

事務手数料には、借入額に率を掛ける定率型と、一定額の定額型があります。三菱UFJ銀行の解説ページは、定率型の目安を借入額の2.2%(税込)、定額型の目安を3万〜5万円としています。定率型は保証料が不要で、定額型は別に保証料がかかる組み合わせです。

公式の手数料表では、三井住友信託銀行が融資手数料型で借入額の2.2%(税込)を借入時に一括で受け取り、保証料は銀行が負担します。保証料型を選ぶと保証取扱手数料が1件3万3,000円で、保証料は金利に年0.2%を上乗せする方式と、一括前払い方式があります。一括前払いの例は、3,000万円・30年で45万8,130円〜57万4,050円です。docomo SMTBネット銀行の対面コースも、事務手数料は借入額の2.2%です。

上の表のBは、この3,000万円・30年の例を8,000万円へ単純に比例させた試算です。実際の保証料は借入期間や審査で変わります。同じ銀行でも、どちらの型を選ぶかで適用される金利が変わる場合があるので、手数料だけでなく総返済額で比べる必要があります。借入額と金利による返済額は、住宅ローン金利と返済額の記事で扱っています。

司法書士報酬と地震保険料の目安

登記を代理する司法書士の報酬は、日本司法書士会連合会の報酬アンケート(令和6年3月実施)の平均で、固定資産評価額の合計が1,000万円の土地建物の売買による所有権移転が5万6,678円(回答1,082件)、債権額1,000万円の抵当権設定が4万2,699円(同1,038件)です。設例の評価額と債権額が1,000万円なので、5,000万円の評価額や8,000万円の借入では、これより高くなる可能性があります。

地震保険は、保険料の水準が制度で決まっています。財務省の基本料率表では、令和4年10月1日以降が始期の契約で、東京都のイ構造(耐火建築物など)は保険金額1,000万円・1年あたり2万7,500円です。財務省の制度概要によると、保険金額は火災保険の保険金額の30〜50%の範囲で決め、建物は5,000万円が限度です。限度額いっぱいなら、割引前で年13万7,500円になります。割引は免震建築物と耐震等級3が50%、建築年と耐震診断が10%などで、重複はできません。

不動産適正取引推進機構の「不動産売買の手引」は、購入資金のほかに登記費用、火災保険料、住宅ローンの諸費用、税金、引越費用、媒介報酬がかかると書いています。火災保険料を含め、最終的な額は見積書で項目ごとに足し上げると分かります。

固定資産税・都市計画税の精算

固定資産税と都市計画税は、1月1日現在の所有者として固定資産課税台帳に登録されている人に課されます。東京都主税局の案内では、年の途中で売買しても、その年の納税義務者は1月1日の所有者のままで、負担を分け合うかどうかは当事者間の取り決めです。

売買契約書の参考例には公租公課の分担の起算日を書く欄があり、決済前の準備に固定資産税等の精算金も挙げられています(前掲の「不動産売買の手引」)。日割りで買主が売主へ払う取り決めなら、起算日が1月1日、年税額40万円、引渡し10月31日の仮定で、買主の負担は61日分、40万円×61÷365の約6万7,000円です。

価格帯は相場ページ、売り出されている部屋は売出し一覧で見られます。購入申込みから引渡しまでの流れは購入の流れの記事に書きました。毎月の管理費と修繕積立金は管理費と修繕積立金の記事で説明しています。

※制度・税率は2026年10月4日時点の、国土交通省・国税庁・財務省・東京都主税局・日本司法書士会連合会、および各金融機関の公開資料に基づきます。計算例の評価額・借入額・築年は仮定で、保証料のBは比例換算の試算です。実際の金額は固定資産評価証明書や見積書で変わります。当サイトの価格は売出し価格で、成約価格ではありません。制度や手数料は改定されるため、最終的な判断は最新の資料と専門家の説明をもとに、購入者ご自身で行ってください。